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連続講座5
伝統芸能の記憶と記録 ~アーカイブの保全と活用の観点から~

連続講座第5回では、伝統芸能における記録の保存と公開のあり方、およびこれらの取り組みを地域で支えるしくみのあり方について考える第一歩とします。
講師には3名の先生方をお招きしました。天王寺楽所雅亮会副理事長の小野真龍先生、山本能楽堂事務局長の山本佳誌枝先生からは、雅楽と能楽におけるアーカイブの取り組み事例をご紹介いただきます。また、アーカイブの取り組みを公的に支えるしくみ作りの観点から、大阪アーツカウンシル統括責任者の中西美穂先生をお招きして、ご自身が参画された映像アーカイブ事業から得られた示唆について共有いただきます。地元・大阪における様々な具体例を通して、伝統芸能におけるアーカイブの多様性や実態を知るとともに、活用可能性や課題についても考えていく機会になれば幸いです。

【配信期間】12月3日(金)10:00 ~ 12月13日(月)18:00
【視聴申込】11月30日(火) 10:00 ~ 12月12日(日)18:00 視聴申込(3)
【コメントシート】12月3日(金)10:00 ~ 12月13日(月)18:00

配信終了

講師陣

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小野真龍

天王寺楽所雅亮会副理事長・関西大学客員教授

 1965年、小野妹子の八男多嘉麿が開基である大阪木津の願泉寺に生まれる。

 

 曽祖父は、明治以降天王寺楽所の伝統を引継いだ雅楽団体「雅亮会」の初代会長の小野樟蔭(上方芸能人顕彰受賞)、祖父は初代雅亮会楽頭の小野摂龍(大阪文化賞受賞)、父は二代雅亮会楽頭の小野功龍(日本芸術院恩賜賞・芸術院賞受賞)。幼少より四天王寺「聖霊会の舞楽」の童舞の舞人を務め、天王寺楽人の道へ。京都大学法学部を卒業。さらに京都大学文学研究科博士課程(宗教学)を修了し、宗教哲学の研究で京都大学博士(文学)となり、著書『ハイデッガー研究』で日本宗教学会賞を受賞。2008年より2016年まで相愛大学人文学部特任准教授を務める。

 

 他方、雅楽演奏者としても研鑽をつみ、1993年より雅亮会会員となり、聖霊会をはじめとする四天王寺の由縁の舞台、住吉大社、嚴島神社をベースに雅楽演奏・演舞活動を行う。また、毎年催されるフェスティバルホールでの定期演奏会にも参加し、ドイツ、フランス、チェコ、イタリア、ニュージーランドでの海外演奏経験も豊富である。

 

 天王寺楽所の後継者育成機関や、相愛大学音楽学部、兵庫教育大学大学院、浄土真宗本願寺派勤式指導所で雅楽実技を指導し、宝塚歌劇団の雅楽所作指導や音源録音にも携わる。

 

 現在願泉寺住職、関西大学客員教授、天王寺楽所雅亮会副理事長、天王寺舞楽協会常任理事、四天王寺大学や龍谷大学大学院実践真宗学研究科で、雅楽の背景をなす日本思想や、仏教音楽論、宗教儀礼論を講じている。

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山本佳誌枝

公益財団法人 山本能楽堂 事務局長

 能楽を「現代に生きる魅力的な芸能」と捉え直し、初心者でも気軽に参加できる公演や現代美術家の視点を取り入れた企画により新たなファン層を開拓し、山本能楽堂を中心とした能楽の普及と継承につとめている。
 山本能楽堂での公演は多岐にわたり、上方芸能をダイジェストで楽しんで頂く「初心者のための上方伝統芸能ナイト」(大阪商工会議所、大阪市、大阪観光局と連携)を2006年から継続的におこなっているほか、現代美術家の視点を取り入れた企画や外国人観光客向けに英語字幕作成などにも取り組むなど、大阪の文化力を高め、新たな観光集客へとつなげるための公演をおこなっている。そのほか2010年より海外での能の公演・ワークショップを精力的におこなうほか、全国の小中学校に出向き能の普及活動もおこなっている。これら山本能楽堂が主催する公演すべてに対し、制作サポートおよびマネジメントを担当している。
 また山本能楽堂での活動のほかに、いけばなインターナショナル大阪支部長、大阪府市都市魅力戦略推進会議委員、関西広域連合会議委員などを歴任。大阪サクヤヒメ賞、関西財界セミナー「輝く女性賞」など受賞。 2015年より、NHKラジオ深夜便「関西発日本列島くらしのたより」のレポーターをつとめる。

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中西美穂

大阪アーツカウンシル統括責任者

京都精華大学美術学部立体造形コース卒業、大阪大学大学院文学研究科文化形態論博士後期課程修了。博士(文学)。大阪を拠点に様々な文化事業、例えば「築港赤レンガ倉庫アーツアポリア」「アーティスト@夏休みの病院」「アートによる能案内」を企画運営してきた。主な論文等に「大阪アーツカウンシルの現場から : 包括的な文化振興の基盤構築にむけて」(2019年)、「参加型〈裁縫〉アートの一事例 : 「アジアをつなぐ」展参加作品《HOUSE OF COMFORT》のワークショップを中心に」(2017年)がある。2020年及び2021年の「大阪における文化芸術関係者への新型コロナウイルスの影響に関する実態調査」の企画と調査分析にも中心的に関わった。趣味は手のひらサイズのダルマ集め。最近気になっているアイドルはblack pinkのRosé。

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志村聖子

相愛大学音楽学部准教授

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。九州大学大学院芸術工学府修士課程を経て、同博士後期課程修了。博士(芸術工学)。

九州大学大学院芸術工学研究院学術研究員、政策研究大学院大学文化政策プログラム研究助手を経て、2017年より相愛大学音楽学部准教授。
日本アートマネジメント学会九州部会長、大阪府市文化振興会議専門委員(アーツカウンシル部会委員)。
単著に「舞台芸術マネジメント論—聴衆との共創を目指してー」(九州大学出版会、2017)、共著に「はじまりのアートマネジメント 芸術経営の現場力を学び、未来を構想する」(水曜社、2021)ほか。
2019年度より相愛大学「伝統芸能コーディネーター育成プログラム」統括責任者を務め、大阪における伝統芸能の担い手育成のあり方を理論・実践の両面から考察している。

後援:大阪市、大阪市中央区、大阪市住之江区、大阪府教育委員会

企画協力:大阪アーツカウンシル

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