top of page

連続講座8

東西の舞台芸術に表出する宗教観 ―伝説「オルフェウス」の世界と舞台をきっかけに―

 イベントは終了しております 

【配信期間】2020年12月4日(金) ~ 2020年12月13日(日)

2020年度の連続講座も最終回となりました。
今回はシンポジウム形式で、来る1月の特別公演(新作能「オルフェウス」、出演:山本能楽堂ほか)の事前学習を兼ねてお送りします。
冒頭では、昨年度に引き続き、フライブルク音楽大学からB.ヴルフ先生をお招きして、西洋におけるオルフェウス神話と舞台芸術への影響についてお話いただきます(ビデオ出演)。
その後、山本先生からは新作能「オルフェウス」の制作経緯をご紹介いただき、特に「音楽と愛」についての東西共通の理念や、自然との共生、多様性の尊重という普遍的なメッセージが込められていることについてお話いただきます。
小野先生からは「仏教のオルフェウス〜大樹緊那羅王」と題して、民俗伝承としての神話が音楽と密接な関係にあることをご講演いただきます。
大谷先生からはインドの古典舞踊に登場する神々をご紹介いただきながら、音楽の神様が崇められるという西洋・東洋の神話における共通性について浮き彫りにしていただきます。
釈先生の進行のもとで、紀元前から現代までを俯瞰しつつ、西洋と東洋の舞台芸術について想像力を広げてお楽しみいただける回です。

講師陣

profile.png

フライブルク音楽大学元副学長、打楽器奏者、作曲家

ベルンハルト・ヴルフ

ハンブルクで打楽器、バーセルで作曲、フライブルクとシエナで指揮を学ぶ。
1970~85年、バーセル・ラジオシンフォニーオーケストラの打楽器奏者として、また、音楽祭やラジオプロダクションなどでは、ソロ打楽器奏者として活躍。ハンブルク古楽アンサンブルの設立者・チェンバロ奏者。1970~72年、バーセル音楽アカデミー講師。1972年より、フライブルク音楽大学打楽器部門の主任。
1973年に、国際コンクール入賞者など優秀な打楽器奏者たちをメンバーにして、フライブルク・打楽器アンサンブルを設立。全ヨーロッパ、USAと南アメリカ、中国、日本、韓国、ベトナム、旧ソ連の国々、中央アジア、モンゴル、東南アジアの国々に、演奏旅行を行う。
1975年よりバーセル・スコラ・カントゥルムと、また、20世紀の作曲家たち、シュトックハウゼン、ブーレーズ、ルイジ・ノーノ、クセナキス、ダラピッコラ、ドナトーニ、マデルナ、ベリオ、カーゲル、ラッヒェンマン、フーバー、ケージ、エトキン、フェルトマンなどと共に仕事をする。ハンブルクとバーゼルでは、障がい者教育のプロジェクトも行う。
指揮者としては、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、東ヨーロッパなど、またバーゼル・シンフォニー・オーケストラを客演指揮。多くの音楽祭を設立し、作曲家との共同作業をするなど、活動は世界中に及ぶ。客員教授としては、ニューヨーク/ジュリアード・スクール、マンハッタンスクール、東京藝術大学、ブエノスアイレス、チリ・サンチアゴ、メキシコシティ、ヴェトナム・ハノイで活動。
1986~96年、フライブルク音楽大学副学長。国内及び国際コンクールの審査委員。DAAD選考委員。

profile.png

相愛学園学園長、相愛大学客員教授、インド古典舞踊家

大谷紀美子

京都市生まれ。桐朋学園音楽学部作曲理論科音楽学専攻卒業、ハワイ大学音楽学科修士課程修了M. A. in music (Dance Ethnology), クインズ大学社会人類学科博士課程修了Ph. D. in Social Anthropology (Ethnomusicology)
カラークシェトラ芸術大学でバラタナーティヤム・インド古典舞踊を学ぶ。
民族音楽学の研究のかたわら、各地でバラタナーティヤムの公演を行う。
1981年から1988年相愛大学音楽学部教授、1997年から2005年高知大学教育学部教授。
『Dance and Music in South Asian Drama』(共著)、『日本の音楽・アジアの音楽』(共著)、『Tradition and its Future in Music』(共著)など。

profile.png

能楽師・シテ方

山本章弘

1960年大阪に生まれる。観世流能楽師。重要無形文化財保持者総合指定保持者。

公益社団法人能楽協会理事、公益財団法人山本能楽堂代表理事

特定非営利活動法人べっぷかんこうかい理事長 京都造形芸術大学客員教授

ユネスコ世界無形遺産である能楽を「現代に生きる魅力的な芸能」として、能楽の普及と継承につとめる。子どもたちへの能の次世代教育も積極的におこない、これまでに全国で8万人以上の子どもたちに能の魅力を伝える。また、ブルガリアを中心に、東・中央ヨーロッパと日本の能の海外公演を通じた国際交流につとめ、ヨーロッパ最大規模のシビウ国際演劇祭(ルーマニア)に5年連続招聘を受け喝采を浴びる。2017年大坂城とブルターニュ大公城(フランスナント市)の友好城郭提携の際には能の公演を実施し国際親善につとめる。外務大臣表彰、国土交通大臣表彰「手づくり郷土賞」、国際交流基金「地球市民賞」、ティファニー財団伝統文化大賞、グッドデザイン賞など受賞。

profile.png

相愛大学人文学部教授

釈徹宗

相愛大学副学長/人文学部教授。博士(学術)。日本宗教学会評議員。日本仏教学会理事。浄土真宗本願寺派如来寺住職。NPO法人リライフ代表。宗教思想や宗教文化の領域において、比較研究や学際研究を行っている。南方熊楠賞選考委員、涙骨賞選考委員、大阪市伝統芸能鑑賞会企画(プロポーザル方式)選考委員などを務めている。

論文「不干斎ハビアン論」で涙骨賞(第五回)、著書『落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する』で河合隼雄学芸賞(第五回)、また仏教伝道文化・沼田奨励賞(第五十一回)を受賞している。

近著に『天才 富永仲基』(新潮社)、『歎異抄 救いのことば』(文藝春秋)、『教えて、釈先生! 子どものための仏教入門』(講談社)など。

profile.png

天王寺舞楽協会常任理事

小野真龍

 1965年、小野妹子の八男多嘉麿が開基である大阪木津の願泉寺に生まれる。

 曽祖父は、明治以降天王寺楽所の伝統を引継いだ雅楽団体「雅亮会」の初代会長の小野樟蔭(上方芸能人顕彰受賞)、祖父は初代雅亮会楽頭の小野摂龍(大阪文化賞受賞)、父は二代雅亮会楽頭の小野功龍(日本芸術院恩賜賞・芸術院賞受賞)。幼少より四天王寺「聖霊会の舞楽」の童舞の舞人を務め、天王寺楽人の道へ。京都大学法学部を卒業。さらに京都大学文学研究科博士課程(宗教学)を修了し、宗教哲学の研究で京都大学博士(文学)となり、著書『ハイデッガー研究』で日本宗教学会賞を受賞。2008年より2016年まで相愛大学人文学部特任准教授を務める。

 他方、雅楽演奏者としても研鑽をつみ、1993年より雅亮会会員となり、聖霊会をはじめとする四天王寺の由縁の舞台、住吉大社、嚴島神社をベースに雅楽演奏・演舞活動を行う。また、毎年催されるフェスティバルホールでの定期演奏会にも参加し、ドイツ、フランス、チェコ、イタリア、ニュージーランドでの海外演奏経験も豊富である。

 天王寺楽所の後継者育成機関や、相愛大学音楽学部、兵庫教育大学大学院、浄土真宗本願寺派勤式指導所で雅楽実技を指導し、宝塚歌劇団の雅楽所作指導や音源録音にも携わる。

 現在願泉寺住職、天王寺舞楽協会常任理事、天王寺楽所雅亮会副理事長。四天王寺大学や龍谷大学大学院実践真宗学研究科で、雅楽の背景をなす日本思想や、仏教音楽論、宗教儀礼論を講じている。

後援:大阪市、大阪市中央区、大阪府教育委員会、大阪市住之江区

bottom of page